会社設立後の届出と期限一覧|税務署2か月・都税事務所15日・年金事務所5日・労働保険10日、口座開設とインボイス【会社設立の流れ 第8回】
AIを活用して作成し、公式資料を参照しています。掲載の記入例は架空の例です。出典と確認日は本文に記載しています。
この記事の目次
登記が完了した日(設立日)から、期限の短い順に、年金事務所(5日以内)、都道府県税事務所(東京都は15日以内)、労働保険(雇用時、10日以内)、税務署(法人設立届出書は2か月以内、青色申告承認申請書は3か月以内)の届出が並びます。法人設立ワンストップサービスを使えば、税務署・年金事務所・ハローワークへの届出をまとめて申請できます。
この記事は連載「会社設立までの流れ」の第8回です。期限はいずれも2026年9月18日に各官公署のページで確認したものです。市区町村の届出期限は自治体ごとに異なるため、本店所在地の案内を確認してください。
設立日からの期限一覧
| 期限 | 届出 | 提出先 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 5日以内 | 健康保険・厚生年金保険 新規適用届(+被保険者資格取得届) | 年金事務所 | 法人は役員1人でも強制適用。登記事項証明書(発行90日以内)を添付 |
| 15日以内(東京都) | 法人設立届出書 | 都道府県税事務所 | 定款の写しと登記事項証明書を添付。登記情報提供サービスの照会番号で代替可 |
| 自治体の定める期間 | 法人設立届出書 | 市町村(東京23区は都税事務所で兼ねる) | 本店所在地の案内で確認 |
| 雇用の翌日から10日以内 | 労働保険 保険関係成立届 | 労働基準監督署 | 従業員を雇ったとき |
| 設置の翌日から10日以内 | 雇用保険適用事業所設置届 | ハローワーク | 同上。被保険者資格取得届は翌月10日まで |
| 1か月以内 | 給与支払事務所等の開設届出書 | 税務署 | 役員報酬を払う場合も対象 |
| 50日以内 | 労働保険 概算保険料申告書 | 労働基準監督署など | 従業員を雇ったとき |
| 2か月以内 | 法人設立届出書 | 税務署 | 定款の写しなどを添付 |
| 3か月を経過した日と第1期末のいずれか早い日の前日まで | 青色申告の承認申請書 | 税務署 | 出さないと第1期は白色申告 |
| 随時 | 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 税務署 | 給与の支給人員が常時10人未満の場合、納付を年2回にできる |
| 第1期の確定申告期限まで | 棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書 | 税務署 | 出さなければ法定の方法になる |
| 最初の事業年度終了日まで | 適格請求書発行事業者の登録申請書 | 税務署 | 設立初日から登録したい場合 |
年金事務所:法人は役員1人でも加入
法人は、代表者1人だけで報酬を受ける場合でも健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所です。新規適用届は事実発生から5日以内に、被保険者資格取得届と同時に出します。添付は法人の登記事項証明書(発行から90日以内)などです。役員報酬を当面ゼロにする場合は加入手続が変わるため、年金事務所に確認します。
税務署:設立届出と青色申告
法人設立届出書は設立日から2か月以内で、定款の写しなどを添付します。青色申告の承認申請書は、設立日から3か月を経過した日と、設立第1期の事業年度終了日のいずれか早い日の前日までです。第1期が短い会社は期限も早くなるので、設立届出書と同時に出すと漏れません。役員報酬を支払うなら給与支払事務所等の開設届出書を1か月以内に出し、給与の支給人員が常時10人未満なら源泉所得税の納期の特例を申請すると納付が年2回で済みます。
資本金1,000万円以上で設立した場合は「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」が必要ですが、法人設立届出書にその旨を記載すれば省略できます。
都道府県税事務所と市町村
法人住民税・法人事業税の関係で、都道府県税事務所と市町村にも設立の届出をします。東京都は設立日から15日以内に都税事務所へ提出し、定款の写しと登記事項証明書を添付します(登記情報提供サービスの照会番号でも可)。他の道府県・市町村は期限が異なる(1か月以内などが多い)ため、本店所在地の自治体サイトで確認してください。
従業員を雇うとき:労働保険と雇用保険
従業員(パート・アルバイト含む)を1人でも雇うと労災保険の適用事業になり、保険関係成立届を成立日の翌日から10日以内に労働基準監督署へ、概算保険料申告書を50日以内に提出します。雇用保険の対象者がいれば、雇用保険適用事業所設置届を設置日の翌日から10日以内に、被保険者資格取得届を翌月10日までにハローワークへ提出します。役員だけの会社では、この手続は雇用を始めるときまで不要です。
法人設立ワンストップサービスでまとめて出す
マイナポータルの法人設立ワンストップサービスでは、設立登記に加え、法人設立届出書・青色申告承認申請書・給与支払事務所等の開設届出書・源泉所得税の納期の特例・適格請求書発行事業者の登録申請など国税の17手続、年金事務所やハローワークへの届出、GビズIDの発行までを一括で申請できます(2021年2月26日から全手続に対応)。法人代表者のマイナンバーカードが必要です。都道府県・市町村への届出は対象外の場合があるため、別途確認します。
法人口座の開設:実質的支配者の確認
銀行は犯罪収益移転防止法に基づき、口座開設時に会社の本人特定事項、取引目的、事業内容、実質的支配者を確認します。事業内容は定款などで確認されます。法務局の「実質的支配者リスト制度」(2022年1月31日開始、手数料無料)で交付を受けた実質的支配者リストの写しを口座開設時に提出する運用が想定されています。設立直後は事業実態を示す資料(事業計画書、契約書、Webサイト、事務所の賃貸借契約など)を求められることが多く、審査に数週間かかる場合もあります。
このとき提出する事業計画書は、創業融資で使う内容と同じで構いません。創業計画書の書き方を参考に、事業内容・顧客・資金計画がつながった資料を用意しておくと、口座開設と融資相談の両方に使えます。
インボイス(適格請求書発行事業者)の登録をどうするか
新設法人は、資本金1,000万円未満なら原則として設立1期目・2期目は消費税の免税事業者です。免税事業者のままでもよいか、取引先が課税事業者で仕入税額控除を必要とするかで、インボイス登録の要否が変わります。設立初日から登録を受けたい場合は、最初の事業年度の終了日までに「初日から登録を受ける旨」を記載した登録申請書を提出します(新設法人の登録時期の特例)。登録している間は免税事業者になれません。取引先の構成と税負担を比べ、判断に迷う場合は税理士に相談してください。
設立後30日のチェックリスト
- 登記事項証明書と印鑑証明書を複数通取得(口座開設・届出・契約に使う)
- 年金事務所へ新規適用届(5日以内)
- 都道府県税事務所・市町村へ設立届出(東京都は15日以内)
- 法人口座の開設申込み。資本金を発起人口座から会社口座へ移す
- 税務署へ法人設立届出書・青色申告承認申請書・給与支払事務所等の開設届出書(必要なら納期の特例も)
- 役員報酬の額と支給開始月を決め、株主総会の議事録を残す(損金にできる支給方法や決定時期は税理士に確認)
- 従業員を雇う場合は労働保険・雇用保険の手続
- 許認可が必要な事業は、営業開始前に申請
費用と日程の全体像は第9回「会社設立の費用と日程」で、設立と融資・補助金の順番は第10回で扱います。
参照した公式資料
資料確認日:2026年9月18日。記入例・計算例は説明用に作成したものです。提出前に提出先の最新様式・案内と照合してください。
関連ガイド
- 会社設立までの流れ【連載の目次】
決めること、定款、認証、払込、登記、設立後の届出を順番に。
- 創業計画書の書き方(日本政策金融公庫)
設立と並行して準備する創業融資の書類。
- 創業計画書を作る前に準備するもの
資本金・必要資金・売上根拠を、設立前の検討から引き継ぎます。