設立登記の申請|必要書類・登録免許税の計算・オンライン申請と24時間処理・住所非表示措置【会社設立の流れ 第7回】
AIを活用して作成し、公式資料を参照しています。掲載の記入例は架空の例です。出典と確認日は本文に記載しています。
この記事の目次
設立登記は、本店所在地を管轄する法務局に申請書と添付書類を提出し、登録免許税(株式会社は資本金×0.7%、最低15万円)を納めて行います。会社は登記申請の受付日に成立します。オンラインで申請し、添付書類をすべてPDFにして電子納付すれば、役員5人以内などの条件で24時間以内に処理されます。
この記事は連載「会社設立までの流れ」の第7回です。法務局が公開している「取締役会を設置しない会社の発起設立」の記載例に沿って説明します。
申請書と添付書類(取締役会非設置・発起設立の場合)
| 書類 | 内容・注意点 |
|---|---|
| 株式会社設立登記申請書 | 商号、本店、登記の事由、登記すべき事項、資本金の額、登録免許税額、添付書類の一覧、申請人(会社)と代表取締役、申請日、宛先法務局 |
| 登記すべき事項 | 申請書に書くほか、オンライン申請やQRコード付き書面申請でデータ送信、またはCD-Rなどに記録して提出できる |
| 定款 | 認証済みのもの1通(電子定款は「同一の情報の提供」で受け取ったデータ) |
| 発起人の同意書(発起人決定書) | 設立時発行株式数・払込金額・資本金の額・本店の具体的所在場所などを定款に書いていない場合 |
| 設立時代表取締役を選定したことを証する書面 | 取締役が1人で定款に「取締役が代表取締役となる」旨があれば不要な場合がある |
| 設立時取締役の就任承諾書 | 取締役(・監査役)ごと。定款で選任された発起人=取締役の場合の扱いは記載例を確認 |
| 印鑑証明書 | 設立時取締役全員分(取締役会非設置の場合)。市区町村発行、作成後3か月以内 |
| 払込みを証する書面 | 第6回で作った払込証明書+通帳コピー |
| 資本金の額の計上に関する証明書 | 金銭出資のみなら不要 |
| 印鑑届書 | 書面申請では必要。オンライン申請では任意(2021年2月15日〜) |
| 委任状 | 司法書士などに申請を委任する場合 |
書類の名称や要否は会社の形(取締役会の有無、監査役の有無、現物出資の有無)で変わります。自分の会社の形に合う記載例を法務局のサイトで選んでください。
登録免許税の計算
| 資本金 | 資本金×0.7% | 納める額 |
|---|---|---|
| 100万円 | 7,000円 | 15万円(最低額) |
| 300万円 | 2万1,000円 | 15万円(最低額) |
| 1,000万円 | 7万円 | 15万円(最低額) |
| 3,000万円 | 21万円 | 21万円 |
| 合同会社 300万円 | 2万1,000円 | 6万円(最低額) |
計算結果に100円未満の端数があれば切り捨てます。資本金が約2,143万円を超えると、0.7%が15万円を上回ります。認定市区町村の特定創業支援等事業を受けた証明書があると税率は0.35%(株式会社の最低額7万5,000円、合同会社3万円)です。証明書は登記申請時に原本を添付し、証明書を交付した市区町村内で設立する場合に限られます。納付は収入印紙を申請書の台紙に貼るか、オンライン申請では電子納付ができます。
オンライン申請と、書面申請
オンライン申請は「登記・供託オンライン申請システム」の申請用総合ソフトで、申請書情報と添付書面のPDFを送信します。申請人(代表取締役)の電子署名が必要で、マイナンバーカードなどの電子証明書を使います。法人設立ワンストップサービス(マイナポータル)からも設立登記を申請でき、定款認証との同時申請や、税務署・年金事務所への届出をまとめて行えます。
書面申請は、法務局の窓口に持参するか郵送します。登記すべき事項は、法務局サイトで作成するQRコード付きの申請書を使うとデータで提出できます。書面申請では、代表者印(会社実印)の印鑑届書を同時に出します。オンライン申請では印鑑届書の提出は任意ですが、登記事項証明書の請求や契約書への押印で会社実印を使う場面は多いため、多くの会社が届け出ています。
処理日数:3執務日、24時間、72時間
- ファストトラック(2018年3月12日〜):株式会社・合同会社の設立登記は、申請受付日の翌日から起算して3執務日目までに完了することが原則
- 24時間以内処理(2020年3月17日〜):完全オンライン申請で、役員等が5人以内、添付書面がすべてPDF、登録免許税を電子納付、補正がない場合
- 72時間原則(2024年9月20日〜):法務省の定款作成支援ツールを使った48時間認証の対象で、認証後1週間以内にオンライン申請し、上の要件を満たす場合、認証から登記完了まで原則72時間以内
会社成立日は「受付日」。休日を成立日にする特例
会社は設立登記をすることで成立し、成立日は登記申請の受付日です。法務局が閉まっている土日祝日は受付されないため、従来は休日を設立日にできませんでした。2026年2月2日施行の商業登記規則改正で、申請日の翌日が行政機関の休日である場合に、その休日を「指定登記日」として登記日(会社成立日)にできる特例が始まりました。直前の開庁日に申請が受け付けられていることが条件で、オンライン申請・郵送申請でも使えます。
代表取締役の住所を公開しない「住所非表示措置」
登記事項証明書には代表取締役の住所が記載されます。2024年10月1日から、株式会社の代表取締役・代表執行役・代表清算人の住所のうち、番地などの一部を証明書に表示しない「住所非表示措置」を申し出られるようになりました。設立登記の申請と同時に申し出ます。非上場会社は、本店所在地に会社が実在することを示す配達証明郵便などの書面や、実質的支配者の本人特定事項を証する書面を添付します。住所を登記事項証明書で証明できなくなるため、融資や契約で不都合が生じる場合がある、と法務省は留意点を示しています。融資を予定している場合は、申し出る前に金融機関の扱いを確認してください。
登記完了後にすること
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)を取得する。手数料は書面請求600円、オンライン請求・郵送520円、オンライン請求・窓口交付490円(2025年4月1日改定)
- 印鑑カードを受け取り、印鑑証明書(書面500円、オンライン送付450円、窓口420円)を取得する
- 法人番号は登記完了日の16時または翌稼働日11時に公表され、2稼働日後に国税庁から通知書が発送される
- 第8回「設立後の届出」の期限は設立日(登記申請日)から数える
よくある質問
登記を自分で申請するときの注意は?
法務局の記載例と添付書類一覧を自分の会社の形に合わせて選び、定款・払込証明書・申請書の商号・本店・資本金・役員名が一字一句一致しているかを確認します。不備があれば「補正」の連絡が来て、直すまで登記は完了しません。登記申請書類の作成代理や申請代理を業として行えるのは司法書士に限られるため、専門家に頼む場合は司法書士に依頼します。
却下や取下げになるのはどんな場合?
同一本店・同一商号の会社が既にある、目的が不明確、必要な添付書類が欠けている、登録免許税が不足している、などです。商号は事前にオンライン登記情報検索サービスで調べておきます。取下げの場合、納めた登録免許税は再使用証明などの手続で次の申請に充てられます。
参照した公式資料
資料確認日:2026年9月18日。記入例・計算例は説明用に作成したものです。提出前に提出先の最新様式・案内と照合してください。
- e-Gov法令検索:会社法(49条 株式会社の成立)
- e-Gov法令検索:商業登記法(27条・47条)
- 法務局:株式会社設立登記申請書の記載例(取締役会非設置・発起設立)
- 法務局:設立登記の添付書面
- 国税庁:No.7191 登録免許税の税額表
- 中小企業庁:会社設立時の登録免許税の軽減について
- 法務省:商業・法人登記のオンライン申請について
- 法務省:QRコード付き書面申請
- 法務省:オンライン申請時の印鑑提出の任意化(2021年2月15日〜)
- 法務省:会社設立登記のファストトラック化
- 法務省:完全オンライン申請による法人設立登記の24時間以内処理
- 法務省:定款認証に関する新たな取組(72時間原則)
- 法務省:民商第9号通達(登記日の休日指定特例、2026年2月2日施行)
- 法務省:代表取締役等住所非表示措置について
- 法務省:登記手数料について(2025年4月1日改定)
- 法務省:新規設立登記をされた会社・法人の皆さまへ(法人番号)
関連ガイド
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決めること、定款、認証、払込、登記、設立後の届出を順番に。
- 創業計画書の書き方(日本政策金融公庫)
設立と並行して準備する創業融資の書類。
- 創業計画書を作る前に準備するもの
資本金・必要資金・売上根拠を、設立前の検討から引き継ぎます。