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会社設立前に決める8つの基本事項|商号・目的・本店・資本金・機関設計・事業年度の決め方【会社設立の流れ 第3回】

AIを活用して作成し、公式資料を参照しています。掲載の記入例は架空の例です。出典と確認日は本文に記載しています。

この記事の目次

定款を書き始める前に、商号・目的・本店・資本金・発起人と株主構成・機関設計・事業年度・公告方法の8つを決めておくと、定款作成から登記まで迷わずに進めます。後から変えると定款変更と登記のやり直しが必要になる項目なので、一度に検討します。

この記事は連載「会社設立までの流れ」の第3回です。株式会社を中心に説明し、合同会社で異なる点は各項目で補足します。

決める8つの項目と、確認先

項目決めること確認先・ルール
1. 商号会社名。前後どちらかに「株式会社」を付ける使える文字、同一本店・同一商号の禁止、商号調査
2. 目的会社が行う事業。将来行う予定の事業も含められる適法性・明確性。許認可業種は所管官庁へ事前確認
3. 本店会社の住所。定款は市区町村まででよい賃貸物件は登記可否を契約で確認
4. 資本金設立時に払い込む金額1円から可。消費税・許認可・融資の観点で決める
5. 発起人と株主構成誰が、いくら出資し、何株持つか発起人は全員が1株以上引き受ける
6. 機関設計取締役の人数、取締役会・監査役の有無取締役会を置かない会社は取締役1人で可
7. 役員の任期・事業年度取締役の任期、決算月非公開会社は任期を最長10年まで伸長可
8. 公告方法官報、日刊新聞、電子公告のいずれか定款に定めがなければ官報

1. 商号:使える文字と、同じ名前の会社の調べ方

商号には漢字・ひらがな・カタカナのほか、ローマ字(大文字・小文字)、アラビア数字、「&」「'」「,」「-」「.」「・」が使えます。スペースはローマ字の単語の区切りにだけ使えます。「株式会社」の文字は商号の前か後ろに必ず入れ、他の種類の会社と誤認される文字は使えません(会社法6条)。

同じ商号でも、本店所在場所が同一でなければ登記自体はできます(商業登記法27条)。ただし、不正の目的で他の会社と誤認されるおそれのある商号は禁止され(会社法8条)、商標権の問題も別にあります。登記前に、法務省の「オンライン登記情報検索サービス」で商号調査ができます。商号調査だけなら手数料はかかりませんが、申請者IDの登録が必要です。

2. 目的:将来の事業も含めて、明確に書く

目的は、会社が行う事業の範囲を定めます。登記できる目的は適法で明確なものに限られ、ローマ字や専門用語は一般の用語辞典に載るなど社会的に認知されたものでないと受理されない場合があると法務局は案内しています。建設業、飲食業、古物商、人材紹介など許認可が必要な事業は、目的の記載に問題がないか事前に所管官庁へ確認するよう法務局が注意を促しています。

1. 飲食店の経営 2. 食品の製造および販売 3. インターネットを利用した通信販売業 4. 前各号に附帯関連する一切の事業

bizlyai編集部による架空の記入例。実在事業者の実績・採択事例ではありません。

最後に「前各号に附帯関連する一切の事業」を置くのが一般的です。数年内に始める可能性がある事業は最初から入れておくと、目的変更の登記(登録免許税3万円)を避けられます。一方、関係のない事業を並べすぎると、融資や口座開設の審査で事業内容を説明しにくくなります。

3. 本店:定款は市区町村まで、登記は地番まで

定款の本店所在地は最小行政区画(市区町村。東京23区は区)までで足ります。その場合、地番までの具体的な所在場所は発起人の過半数で決定します(法務局の記載例)。定款を市区町村までにしておくと、同じ市内での移転なら定款変更が不要です。賃貸オフィスや自宅の場合は、賃貸借契約で法人登記や事業利用が認められているかを先に確認してください。

4. 資本金:1円から可能。ただし3つの観点で決める

最低資本金の制度はなく、資本金の額は設立時に株主となる人が払い込んだ財産の額です(会社法445条1項)。払込額の2分の1を超えない額は資本準備金にできます。実務では次の3点で決めます。

  • 消費税:事業年度開始日の資本金が1,000万円以上の法人は、設立1期目・2期目も消費税の納税義務が免除されません(国税庁 No.6531)。1,000万円未満なら、原則として基準期間のない設立当初は免税です(特定期間の課税売上高など別の判定あり)。
  • 許認可:一般建設業は自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力などの財産的基礎が要件です(国土交通省)。労働者派遣や有料職業紹介にも資産要件があります。これらは資本金そのものではなく純資産などで判定されますが、設立時は資本金が実質的にそれにあたります。
  • 運転資金と融資:資本金は設立後の事業資金になります。日本政策金融公庫のQ&Aでは、融資先の創業企業の創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で2割程度とされています。設立に使うお金と、開業後の運転資金を分けて考えます。

資本金と自己資金、創業計画書の「必要な資金と調達方法」の関係は第10回「設立と創業融資・補助金の順番」で詳しく扱います。

5. 発起人と株主構成

発起人は定款を作成し、設立時発行株式を1株以上引き受ける人です。発起人だけが出資する「発起設立」が一般的で、法務局の記載例もこの形です。複数人で設立する場合、議決権の過半数(50%超)や3分の2以上を誰が持つかで、会社の重要な意思決定を誰がコントロールするかが決まります。出資比率は設立後に変えにくいので、共同創業では事前に合意しておきます。定款認証時には「実質的支配者となるべき者」(原則として議決権の50%超を持つ人)の申告が必要です。

6. 機関設計:小規模なら「取締役会なし・監査役なし」

株式会社は株主総会と取締役が必須で、取締役会や監査役は任意です。取締役会を置かない会社は取締役1人でよく、監査役も不要です。取締役会を置く場合は取締役3人以上と監査役(または会計参与)が必要になります。一人または少人数で始める場合は、取締役会を置かない形が手続も費用も軽く、定款認証手数料1万5,000円の特例の要件(取締役会を置く旨の記載がないこと)にも合います。

7. 役員の任期と事業年度

取締役の任期は原則2年ですが、株式の譲渡制限がある非公開会社は定款で最長10年まで伸ばせます(会社法332条)。任期が来るたびに再任の登記が必要になるため、少人数の会社では10年にすることが多いです。事業年度は1年以内で自由に決められます。設立日から最初の決算日までが短いと、1期目がすぐ終わって申告が早く来ます。消費税の免税期間を長く取りたい場合は、設立日の前月末を決算月にする考え方もありますが、繁忙期と決算作業が重ならないかも合わせて判断してください。

8. 公告方法

株式会社は決算公告などの公告方法を官報、日刊新聞紙、電子公告から選びます。定款に定めがない場合は官報になります(会社法939条4項)。電子公告は自社サイトで行えますが、決算公告は5年間の継続掲載が必要です。

決定事項を1枚にまとめる

上の8項目を1枚のメモにまとめ、発起人全員で確認します。このメモが定款の材料になり、定款認証時の申告、登記申請書、設立後の届出書、銀行口座の開設時の説明にそのまま使えます。

項目架空の記入例
商号株式会社ミナト珈琲
目的飲食店の経営/食品の製造および販売/前各号に附帯関連する一切の事業
本店神奈川県横浜市(登記は地番まで)
資本金300万円(発起人1人・普通株式300株・1株1万円)
機関設計取締役1人、取締役会・監査役なし
役員任期10年
事業年度毎年4月1日から翌年3月31日
公告方法官報

次は第4回「定款の作り方」で、この決定事項を定款の条文に落とし込みます。

参照した公式資料

資料確認日:2026年9月18日。記入例・計算例は説明用に作成したものです。提出前に提出先の最新様式・案内と照合してください。

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